そりゃあ言わないだろう。 何かに憑かれたように勉強に励む姉に 好きな人ができたんだよ、だなんて。 言えるわけがないだろう。 邪魔になるから。 ……。 その背に拒絶されていたなら。[君に何度大好きだと言ってもいつからかその笑顔がかわっていったと嘆いていた。姉に愛憎を向けられた子供と大好きな兄を喪った子供が、傷をなめあうようになっただけではあった。言うことはないけれど。]