― 拘束具の、女の子 ―
[かわいそうに、愛した人を横取りされてしまったのね。
問いに瞳を見据え、看守に連れまわされる女の子は、消せない遺恨に幾つもの感情を滲ませる。>>0:313>>0:314
奪われただなんて。そんなのって無いわ、あんまりよ。
光の無い瞳が交差して、瞬きを一つ、二つ。]
――貴女の怒りは正当な物よ
[愛する事は良い事。
そして、それを奪われ沸きあがる怒りは、何も間違っていやしない。]
檻に繋ぐ人達の方が
間違っているんだわ
[些か認識が食い違うも、肯定する言葉を返しながら檻の隙間から拘束具の少女を見つめる。]