安い言い方になるが、トレンド、と言えばそうだね。参入障壁が高い分、その見返りも大きい。[どうやら彼は社長をやっているらしい。ともなればどこかで人伝いに声をかけられた事もあっただろうか、何せこの参入障壁の高さの由縁は研究者の確保にあるのだから。次の手を待つ間テーブルに置かれた名刺を手に取って眺める。確か一度依頼があったことがあるが、その時は適任が他にいるだろうと断った。時を渡るのではなく人を運ぶことを生業とする者の依頼なのだから当たり前だ。]