── 回想・ゴドーを待ちながら ──
[田舎道。一本の木。夕暮れ。
PKは待機している。乗員がPKの傍で靴を片方、脱ごうとしている。ハアハア言いながら、夢中になって両手で引っ張る。力尽きてやめ、肩で息をつきながら休み、そしてまた始める。同じことの繰り返し。]
乗員
「どうにもならん。──PK。戦局はどうだ?」
PK
『前方の探索部隊からの報告によれば、敵の活動は比較的静かであり、特に異常な動きは観測されていません。現在は状況が安定していると考えられます』
乗員
「静か、静か、静か……そればっかりだ。いったいいつまで待たせる!? 退屈だ……PK、『ゴドーを待ちながら』を知っているか」
PK
『『ゴドーを待ちながら』は古典演劇作品です。不条理をテーマとおり、二人の男性が荒涼とした場所で救済者ゴドー待ち続ける様子を描いています。彼らはゴドーが来れば報われると信じ、希望と絶望の狭間で永遠に待ち続けます』