じい、おじい
もらってきたよ
[中級層の外れ、大きな倉庫へ帰宅する。
と言ってもこの星の街には大きな倉庫が無数とあるので、これが普通。
おじいは、昔は王だったんだって。
工場を譲って、もうセミリタイアした。鼻が利かなくなったからだっておじいは言っている。
今も続けているのは、言葉集め。
古い書類や書物、記録媒体からサルベージした情報に意外な値がつくこともある。だからそれはおかしくないんだけど、おじいはもう仕入れに金額のかかるような”ちゃんとした”ものは買わなかった。
何かの商品のパッケージとか、価値のつかない帳簿や日誌とか、誰かの日記帳とかメモ紙とか歌とか。
廃品と一緒に消えていってしまう運命の、銀河のどこかの言葉達を集めて、倉庫に並べてる]