─ 祝祭当日 ─
[ きっと良い祭りになるだろう。
そう感じさせてくれるほどの、澄み渡った青い空だった。
この祭りのための衣装に袖を通す。
シャツには故郷の鳥が刺繍してあり、
羽織る上着は鮮やかな朱だ。
歳の割に派手すぎないかとも思ったが、
淡い色よりこの色のほうが自分に合っているような気がした。
ポケットには、飴を包んだ布を。
その中のひとつ、勇気の出る飴を口にすれば
優しい甘さが口の中で解けていく。]
(……来て、くれるだろうか…。)
[ 予定はないと言っていた。
だが、来てくれるかどうかはまた別の話だ。 ]