星狩りの国-暁の街-

3 ― 星見る手紙 ―


青年 シャト

[その日も僕はハーフィズに呼び出されて、彼個人の休憩室へと招かれた。
首を傾げる僕に、ハーフィズは言った。]

『シャト、お前の好きだった役者は死んだ。もうこの世のどこにもいない。
二度と舞台を踏むこともなければ、生き返ることもない。

お前も物書きは諦めろ。夢物語は、所詮夢だ。現実じゃない。どれだけ眼を逸らしたいことが起きても、現実は変わらない。
お前より遥かに才能に恵まれた人間が死ぬような世界で、お前の書いた物語なんか通用しない。だから、』

[その先何を言われたのか、僕はよく覚えていない。
感情の焼き切れる音がした。遠くで誰かの声がしていた。視界が揺れて、気づいたら取り押さえられていた。]

(19) Shadow 2023/01/18(Wed) 21:37:22

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