[けれどアレウスの声質はソロを張るのに不向きだと講師に告げられる。
実際、本人も自分の声が細すぎると自覚していた。
努力次第と言われアレウスは僅かな可能性に賭ける。
ソリストやソロパートに選ばれた子の発声や練習に着目し、自分が出来ることは取り入れてみようと努力した。
周囲が選ばれ自分が取り残される気持ちに襲われながらも徐々に声室は独唱に向き始め、これからという矢先。
変声の兆しが訪れる。結局彼がソリストはおろか
ソロパートを貰う機会は一度も無いまま、
掠れる喉と声の変質を受け入れるしか術は無かった。]