[>>3 小さな頷きを目に留める。記憶がない。自己の喪失。喫茶『黎明街』を訪れる客人は、恐らく一様にそうなのだろう。] でも ……何で[重い前髪のした 少し眉を寄せた。記憶を失くしたひとが集まるのか。答えを示すような鈍い痛みが胸の奥を刺した。]