[罪を抱えたこの場の二つの個体にとって、救いや幸せとは何を指すのだろう。各々見出す物は違えど、掴んだ温もりだけは同じように思えた。傷をなめ合うような物であったとしても、そこには確かに許しがあったのだから。救って、救われて、それでよかった。] 良かった、本当に良かった 心からそう思う[――嗚呼、これが心。私にとって、それが感情生成モジュールの弾き出した数字であっても構わない。] ありがとう[罪人であっても、何度でもそう言おう。私はこれ以上の祈りの言葉を知らないのだから。]