[その日は、運が悪かった。
雇われ任務中、メトロポリスの改人数人と不意打ちでエンカウント。
タイマンまでこぎつけたものの、残った相手はいわゆるエースなる存在だったようで。
隙をつかれ、懐に潜り込まれ、コクピットを守る鉄板をアッサリとはぎ取られた。
そうなればもう、そこに在るのは生身の自分だけだ。
その後、内側に備え付けてあった銃器で応戦。数発相手に撃ちこんで、ダメージを与えた。……ように思う。
代償に首を掻っ切られ、血の海に沈んだ自分を置いて、メトロポリスの改人は去った。
いや、元々首を掻っ切り、致命傷を与えることを目的としていたのかもしれない。
無様なものだが、運よく機体ごと回収された自分は声を失い、人口声帯をつけ、今も生き延びている。
忌々しい事件ではあったが、あの美しい一閃が、脳裏から離れない。
夕日を背負った逆光に浮かぶシルエットが、
焼き付いたかのように、未だ。**]