「研究ならどこでもできるから」[そう言って、王都で学び、研究所に就いてものの、 懐かしい故郷へ戻ってきたのは、つい最近のこと。 言葉どおり、屋敷の自室にこもって、 王都から持ち帰った書物を読みふけったり、 屋敷の庭で薬草を育てたり、と気ままに暮らしている。 久々の…、18歳を超えてからは初めての参加になる 村の祭りに、どこか高揚する想いを感じながら、 男衆に混じって、広場の飾りつけや組木の準備をしていた。]