僕は無期限に療養することを勧められた。というより、命じられた。
その時にはもう、何も感じなかった。辛くも悲しくもなかった。全てが他人事みたいで、ただ言われたことに頷いた。
何かを書きたくてペンを取った。だけど、何も書けなかった。何も。何も。
そうして時間は過ぎた。起きて寝るだけの日々を繰り返した。
何を書きたかったのかすっかり忘れた。自分がどういう人間だったのかさえ。
変化を求めた。必死に足掻いた。
あの素晴らしい人がくれた感動を忘れたくはなかった。希望を忘れたくはなかった。
足掻きは中々実を結ばなかった。もはや日常と化して、その行為を繰り返すことすら、半ば惰性だった。
明日へ、明日へと可能性を繋ぐ毎日を過ごして。
そして、一筋の光が差した。彼は死んではいなかった。
そんな、一年間の、記憶。]