ダアト

昔日

［数百年前。人間界の各地で、
　魔女裁判が流行ったことがあった。
　“あいつは珍妙な呪いを使う”
　“何よりこの数十年、見た目が変わらない”
　当時棲んでいた村の男性陣にそう糾弾された時は、
　正直なところ、些か心躍る節があったのは否めない。

　“不老不死”の程を心ゆくまで検証する好機だ、と。
　
　寧ろ、何時誰が不審感に駆られて
　口火を切るのかと面白がっていたが。
　当時浸透していなかった紫外線対策や薬草を
　用いたアンチエイジング講座を提供することで、
　女性陣からの支持がいたく厚かったので、
　表立って追及されずにここまできていた。］