[蔦で覆われた金属片が積み重なって居る場所。
そこは、人間が争いに使った武器達が、
もう使用されなくなり、集められ、朽ちた結果らしい。
外に廃棄されたままになっている
弾を篭めて撃つ目的で作られた大量の武器達は、
植物と錆で覆われ、もう簡単に動かすことはできない。]
Piッ!到着しタ!ココ、君ノおうチ!
何度モ聞いタから、ちゃんト覚えテル。
[ここまで僕の上に乗っていた犬は、一声吠えると、
僕から降りて、蔦の隙間へと潜るように消えていった。
蔦の壁のようになっているあの向こうには、
あの犬が家族で暮らしているんだ。
隙間からちょっと覗いてみたら、
植物が雨避けのように丁度良く育っていて、
この場所なら安心だと納得したのは
半月程前の事。この町に来たばかりの頃の話。]