[鬼束の満足がいく説明ができただろうか。彼女が本を借りて、いつものように図書室を出て行こうとするなら、カウンターにいる図書委員から「またのご利用お待ちしております」という声がかかる。結月はそれを聞いて、鬼束を見て、] これからも楽しんでね。[と、手を振って見送るだろう。別れの言葉はない。だって、明日からも結月は大神高校の中で生きている。だから扉が閉まるまで、結月は手を振っている。]*