…クシュッ。
[呟いた先から、小さなくしゃみを一つ。
慌てて辺りを見回したが、
先程声をかけてくれた御仁は近くにはいなかった。
ああ、良かった。
出掛ける前だったら、家僕に止められていたか、
散々着膨れさせられて、
作業の邪魔になっていただろう。
幼い頃から屋敷で働いている彼らにとっては、
か弱い幼子の印象が強いのだろう。
これでも彼らより背は高くなっているし、
腕っぷしは、力仕事を生業としている人たちに比べたら 線が細いかもしれないが、多少の重労働は問題はないのだ。だからといって、>>14腕相撲で勝負を挑もうとは思わないが**]