君は、私について何か解りそうかい?
[「確認中?」と笑う傘の主>>5に続く形で、子犬にそう問うてみる。人間の言葉らしい言葉ではその答えは返ってこなかったけれども。
すぐ傍にその子犬の気配を感じる中で、目の前の人の姿へと改めてカメラアイを向け直し――…
ほんの少しだけ間を置いてから、柔らかい声調の合成音を返す。]
そうか。……良かった。
譬え知り合ったばかりでも、大切な友達だと思える
そんな相手に、君も巡り合えて。
[こういう自分もこの夢の中で「友達」の語を交わした相手がいる、ということまでは口にしなかったまま。
いま一度改めて、機械の目は、傘持つ人の姿にキリリと照準を合わせる。]