[試しに僕も飛べないか、
その場に全力でジャンプしてみる。
何度か試してみたけど、僕のはどうやっても垂直跳び。
最高でも1メートル程度ふわりと浮かび上がるだけ。
普段、これでお店の椅子に座ったりもしているから、
わかっていた結果とはいえどうにも残念で、
排気口からプシューと空気を漏らす。]
ウーン……やっぱリ、羽根、ないトダメ?
飛ブ……スゴイ。空かラ見た景色、
地面カラ見上げタ景色ト、どれダケ、違うダロウ。
[空から見た風景に思いを馳せながら、
マスターのお店に向かう道中、お返事を作る。
羽根の生えた彼女へのお返事を書き終えれば、
僕の回路が抱く感情をそのまま表すように、
アンテナは元気よく、青く光ったんだ。]