……………、まずい、な。[数枚にわたる灰色の和紙をまとめて整えてから、 この手紙を届けに来た使い魔の鴉に向けて、 一度主のもとに戻るように促した。 最悪、ヴィブラトのほうから自力で “同胞” のネットワークに返信を託すという手もある。 それが歌舞伎者の流儀に照らし合わせて「いき」でなかったなら、 「どげざ」くらいはする気でいる、この男だった。]