[翌日から諦められなかった僕は研鑽の日々を過ごした。
基礎・応用・専門と学び至った固有術式は諸手をあげて喜ぶべき守るための力だったが、そのためにまた少し避けられるようになった気がしている。
五十嵐家の固有能力は番いとなった相手に依存する。
父親が和弓を操りガンガン行こうぜとデバフの矢を乱れ撃ちするのは祖母の能力が弓を使うものだからで、僕の母親の能力が変身して戦うものであることを考えれば自身の能力がどうなるかなんて気づくべきことだった。
僕の能力は、幼馴染を変身させるものだった。
一番最初に使った時は幼い頃一緒に見ていた魔法少女もののような衣装にさせたっけ。
変身した時に毎回違う衣装になるのは僕がこの服似合いそうだなと心の内に留めていたものになってしまうからで、そこもギクシャクしているところかもしれない。
でも、際たるものは術式展開中は僕自身が彼女の衣装になっているという点だ。
僕は衣装となって守る術を手に入れた]