[現れた料理を少しの間眺める。 まるで確かめるように、逡巡するように 勇気を出すための時間のように。] (生きていて最後に食べたのは なんだか変な味のする料理だった 後輩とともにパンを食べた時なかった記憶。 今、それに向き合うかのように。)[箸を取る。食材を取る。口に運ぶ。 味は──── 美味。 思わず食べる手が止まらなくなるような そんな、あたたかな味。]