[この場がすっかり膠着状態になってしまって、もう随分と長い。
もちろん、戦争自体とどちらの方が長いか、と云われれば当然戦争の方だが、いい勝負なんじゃないかとすら思う。]
…あーあ、パンが食いてェなァ。トループのクソカチコチなパン。
顎が鉄じゃねェと食えねェだろってぐらいの、スープに浸したって硬いバカの食いモンのアレ。
[昔、まだ国交が断絶される前にトループで食べたパン。
あまりの堅さに歯が割れた友人の顔を思い浮かべながら、先ほどアームを撃ち抜いたパワードスーツが一旦後ろへ下がるのを、ギュルッと背後を向いた左目で見て、男は交代の時間までサボることに決め、そこらへ適当に担いでいた銃まで放った。]