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[広場からの街道を男女がゆっくりと歩いています。男の方が後ろをたまに振り返りながら、声をかけているようです。]
…それじゃまー、どこか宿に行きますか?
フェイツウェ様のご希望があれば、もちろん聞くつもりはありますが…
実はちょっと問題がありまして…。
[男はごそごそとポケットから窓化した写真を取り出します。それは件の大樹の影につながる窓。]
ご存知かとは思いますが、何処の宿にも宿代というものが人間には必要でして…生憎と我々にはその貯えがなく、誠に畏れ入るのですが…
[ひょいっとカメラを取り寄せながら、言いにくそうにあなたへと申し出るでしょう。]
お美しいフェイツウェ様。
…少しで良いので、肖像画を描かせてもらえません?
[カメラの影から顔を出して男は。記憶を取り戻した弊害かどうか。今となっては分からないことばかりですが。
"ほら、あの綺麗な青い鳥に、ぱぱっとなって貰えたらいいので!"
なんて宣ったかもしれません。]*