――明日の定期便までに書けば一緒に送ってやる。生き残った研究員たちが契約している定期船、近隣のリージョンを経由すれば遠くのリージョンに手紙を送ることができる。言葉と共に便せんを受け取ったベアーは喜び勇んで自分の寝床に戻った。さて、文通とは相手がいなければ成立しないもの。男が渡した手紙の送り先は、風の噂で聞いた同郷の友人の所在地。そこにいる保証はないが、とりあえずベアーが手紙を出したという経験をさせるにはいいだろうと、そんなわけで伝えてみたのだった。