ねえ、あなたも 誰かを愛してあげたの?[あなたも沢山を愛した(殺した)から、此処に居るのかしら。光の無い、暗い目をした女は、微笑みかける。かつてはよく手入れされていたであろう、今は少し傷んだ長い黒髪を二つに結って、目を、細める。収容予定場所は性別ごとの区画等設けられていなかったものの、ネジが飛んだ女は何も気にしない。性別や下心のある無し問わず、近寄る者へ平等に微笑んで。他者を拒む理由は何もない。だってこの世の全てが愛おしいから。わたしはただ、皆を愛してあげたいだけ。**]