いちち……うう、本当に保健室の薬はよく効くなぁ。
[毎朝、鏡を見ては僕は本当に君のためのヒーローになれているか疑問に思う。
ペリペリとガーゼを剥がせば先日受けた傷痕は残ってはいない。
包帯を解いたその下も同様だ。
すぐ身体に浸透してよく効く!保健室の薬のお陰で怪我をしている姿を見られていないのは幸いなことだ。
見せたら心配してくれるだろうかと考えることもあるが悲しい顔をされるのも嫌なので黙っている]
う、ん……動きはまだまだか。
治るの外見だけだよね、よく効くけど。
[身体の内側に残るダメージによって動かし難い指先でよたよたとネクタイを結ぼうとするが上手に結べない。
服を着る時もより動かしにくい方の腕から着るからよれてしまう。
折角の旅行なのに、こんなだらしのない姿を見せたらどう思うだろうか。
重いため息をつくととぼとぼとした足取りで集合地点に向かった**]