「サファイア! 競走しようぜ、競走!トループまで!」[振り返ると、20後半の同僚兵が興奮気味で此方に走ってくるところだった。]元気だねぇ。スタートラインどうすんの。 「此処で始めるしかねぇだろ! トループの中央塔のてっぺんに先に着いた方が勝ち!」うーわ、最悪。一番目立つ場所じゃねえか。[そう言いながら、軽い柔軟をして身体を伸ばすあたり、男も心にはまだ若い部分が残っているということだろうか。]