>>3 ヤワタ
え……そんな所で良いんですか。
[背中ではないから人に見られてもさして問題ないのだろうけど、なにしろ彼は有名人だ。
あの新聞記事を見て、更に広場で肖像画をやる俺ちゃんなんて言ったら彼しか居ないということは誰でもわかること。
こちらの戸惑いもお構いなしな青年がベンチに颯爽と行ってしまうのを早歩きで追った。]
というか、まだこんなところで眠ってるんですか……
[あまりの不摂生に頭が痛くなる。
とはいえ路上で暮らしているような人間は沢山いて、彼だけを家に入れてあげることはこの男にもできないでいた。
彼の寝床だというベンチに二人で座ると、木陰になっていて涼やかだ。
乾いた風が汗に濡れた首を撫でていった。]