[雲をも突き抜ける塔の天辺からは、遊園地の賑やかさは遠く。
けれど、雲海を泳ぐ蛍のように、ちらちらと瞬きが揺れて見えました。
私は1人、屋根に座り、満天の星空を背景に、この“夢”を眺めます。
その場に居なくても、各エリアのパレードは目を閉じれば、瞼に浮かびました。]
…………ごめんね。
[上から見るレオーネくんの花火に私は零します。
来園者の幸せを祈るレオーネくんに、この“夢”への招待に、私はずっと応えられていない。
生きていくには、あまりに大切なものを失くしすぎて。
疑似であったとしても本当は許されない、この自らを殺すような行為も、温かさを閉じ込めたような優しい幻影の中だからこそ出来ること。]**