[重い拳銃を両手でしっかりと構え、即座に発砲。
反動で銃口が跳ねあがり、狙った胴から弾が逸れる。
初めて扱った銃にややよろめくも、腰を落とし地を踏む足に力を入れる。
弾が相手の肩に当たった事を確認し、間髪入れず2発目。今度は少し下を狙った。
跳ね上がる事を前提にした狙いと、距離が詰められた事もあってか、2発目の弾は相手の胸を肺を貫いた。
それでも、血を吐きながらもまだ足を止めてくれない。
3、4、5発。
トリガーを引き、何度も発砲音を響かせる。
ああやっと床に倒れた。手が反動でビリビリする。
それにしても、1人殺める為だけに沢山の弾を使ってしまったわ。
手にしているのはオートマチックハンドガン。弾数は15か17程度。
看守らが持つ武器の大体のスペックは、事前に他の囚人らから情報を拾って居る。
型番までは分からないけれど、凡その弾数が知れたのは有り難かった。
屈みこみ、先殴り殺した看守の装備を漁ればマガジンが2つ。
ありがとう、大切に使わせてもらうわね。拾い上げポケットにしまった。]