[不信仰者(マルコシアス)であれば誰もが知る二人は道を拓き
非戦闘員の護衛を最も戦闘適性の高いケリスが担い、
僕が索敵と残敵の掃討を務めたわけだが]
うん、ま、殿(しんがり)は務めたさ。
周囲に天使供(やつら)はまだ来ていない。
斥候らしい雑魚は"仕留めたよ"。
僕まで戦闘に駆り出されるのは世も末だね。
おっと、既に人類の行く末は決まっているようなものだが。
[穴蔵に逃げ込む直前に振り返った。
眼前に広がるのは終わりを迎えた光景。
血と油と硝煙の匂い──は、嗅ぎ飽きたよ、もう。
砂埃舞う廃墟の街に幾重にも光の帯が差す。]