[美濃>>7は、口を割らなかった結月に更なる気遣いを重ねる。
具体的な選択肢を提示するのは三度目だ。
一度目は話を逸らした。二度目は適当に選んだ。
そして三度目は――ぴくりと眉を跳ねさせた。]
……そうですね。ありがとうございます。
[ここまでのシーンで結月と松本が絡むシーンはほとんどない。
美術部の活動で同じ空間に存在した程度だろうか。
故に原作を知らない者には、
結月が「松本」という名に反応したとは思わないかもしれない。
しかし、少女の声音がいくらか固くなったことは
微かな変化として画面上に零れ落ちた。]