[男にとっての『地球』というものがなんだったかそう問われたなら、男は臆面もなくこう言葉にするだろう我々人類の生まれ故郷であり、これまで生活してきた土地であり、経済を回すべき社会であり、自らの砂の城(地位)を築き続けた遊び場(戦場)だ、と清濁混じる人間の世界、悪意の泥すら飲み干し、人間関係などという不安定な綱を渡る。惨たらしい強者と悍ましい弱者が溢れる夢を見るには薄汚れていて、現実を見るには、狂気にあふれている。そんな場所だった。]