― 待ち合わせ場所 ―
[それはどのタイミングであったか、見慣れた赤毛を喧騒の中に発見して駆け足で近づく。
随分待たせてしまった気がするが、はたして許してもらえるだろうか。
何やら人数が多い気もするし何なら見覚えのある顔もあるが、ひとまずは青年の方へ。]
『また、せ、た』
[空気を読まず、小さなチョコレートの箱>>2:158片手に待ち合わせ場所に顔を出す。
そのまま遅刻の謝罪を口にしようとしたが、相手の髪が、なんか短い。]
『イメチェン、か、――』
[ノーノー、違う。
"髪の毛持っていかれた"の意味がさっぱり分かっていなかった人間としては、何が起きたのか分からない。
だが、よくよく見れば切り口は乱暴な物で。]