─ 現在:中央広場の片隅 ─
[ そんなこんなでおよそ1年の不在期間があったとはいえ、
人生の殆どをこの村で過ごしてきた私が
この祝祭に参加するのはもう8度目の事だ。
意中の相手に贈り物をする習わしは、
当然知ってはいるものの。
知っていながら何もせず、もう8年。
今年こそは、と思いながらも
今もこうして黙々と広場の飾りを作ってしまっている。]
……よし、できた。
[ 作っているのは、家々や街頭を飾る花のモニュメント。
日が暮れれば花の間から光が溢れ、
美しく村を彩ってくれる事だろう。
一つの飾りを作り終えると、
広場にある街灯に飾りを下げる為に木製の脚立に登った。 ]