私が思うに、ステレオタイプは害悪だ。
それを気にしないことを強さというのなら、私は御免こうむりたいね。
まして人にその強さを求めるなど以ての外だろう。
[クッキーを堪能しながら、彼女の独り言を思い返す。
きっとこの話は解決を目指すような話ではないはずだ、が、そのレッテルという悪魔の所業は私もよく知っているせいで我が事のように考えてしまった。]
知らない事よりも、知ったかぶる方が、相手にとっては毒になるともう少し皆には知ってもらいたいところだね。
[形は細かく違えど、彼女もまた同じような苦労をしたことがあるのだというのは伝わっている。だから彼女の言っていた独り言に今更頷きながら、困ったように苦笑してみせた。
こればかりはどうにも、どう受け止めるかという話になってしまいそうだから。あまりいい話ではなさそうだ。]*