《 紛れもなく、その戯曲の題名を冠した本だった。
流石にそのタイトルは各劇場から知らされていたし、
演劇業界の怪談としてもよく耳にしていた。
それはあのアッサも含めて、多数の銀河系星で
発禁・上演禁止措置が執られている作品だった。
本には手紙が一枚添えられていた。
「この戯曲を、君と共に演じたい」という依頼だった。
その筆跡は、いつか楽屋裏でメモ書きをしていた
あの人の筆跡と同じに見えた。
いくら、かつて同じ舞台に立った相手とはいえ。
演るどころかホン読みすら無理だろ、とか、
そもそもこんな物どこで手に入れたのか、とか。
戸惑いながらも確かにそう思った。けれど―― 》