え、あ、……。[混乱は表に出ない。自己紹介が聞こえたら、自然とそちらを向いた。叩き込んだ社交性は無意識に発動する。ようやくしっかり見た女性>>19は、ふんわり柔らかそうな雰囲気の、少し年上っぽい人だった。よく分からないが――説明は聞いたが頭が理解を拒んでいる――多分自分側の人間なのだろう。もぞもぞとそちらを向き、猫背気味に会釈する。] 私は、衣代和(いよりわ)かほ、です。19歳。[ここまでの状況を解説まではできず。一旦口を閉ざし、身体を縮こまらせた。]