ー 自宅という名のボロアパートにて ー
[人間の新鮮な血をいただき、ようやく本当の意味で満腹になったカペちゃん。満足そうに帰ってきたのは築何十年ともわからないオンボロアパートだった。
周辺地域の治安も最悪な都会のスラムとはまさにこのこと。
ただ幸いにも、カペちゃんちはそれ以上に荒れてたというか、正直ゴミ屋敷にも近かった。
ふるーくから取ってあるものが多いせいで、経年劣化で朽ち果てているものも多く、旗から見ればゴミにしか見えないものも、サイアクサイテーな戦争時代を経験したことのあるカペちゃん的にはどんなものも愛着湧いちゃって捨てられず、結局次第にゴミ屋敷のようになっていってしまうのだ
だから、引っ越しのときはいっつも大変!荷物はこっそり少しずつ夜中に運び出してるし、最終的なクリーニング代はパパに出してもらう金だけでも足りないし!
ともあれ、ゴミのようにうず高く積まれたきらきらな宝物たちの中で、唯一生き生きとした命を見せるのは、庭の鉢植えに入れている灰色の薔薇の低木だ>>1>>2>>3>>4]