>>31 ユークレース
[ 辿り着いた部屋は、小さな蝋燭の灯りが揺れている。それに照らされた輪郭は、寝入る人間の形だった。
潜めて来た訳でもない自分に気付かず、倒れたように横たわる姿は、電池が切れたように深く寝ているのだろう。 ]
………。
[ 先程までは声を掛けていたが、投げ出される腕を視て口を閉ざした。
直ぐ脇にしゃがみ混み、寝ている顔を確認する。
眼の前にある手首を裏返し衣服を捲りあげれば、昨日の傷>>0:116を目視する事が出来るだろうか。
包帯等に包まれていればその上から、隠されていなければそのまま、自分の指先でそこをなぞる。
──目覚ましのように>>28断末魔が響けば、手を離し立ち上がるだろう。 ]