― 夏休み/図書室 ―[彼の微笑み>>30に、結月は睫毛を上下させた。] うん。[以前、彼の話を聞いた時のように一言。>>1:179あなたの声が届いたということ。瞬きの回数が結月の疑問を示す。視線が彼から自分の手元に落ちた。少なくとも、彼女の目には特別な物には映らなかったのだろう。小さな掌が傾いて、白い塊のための坂道になる。彼の掌があるならそこへ、ないならノートの上へ。まんまるになれない消しゴムはどたばたと転げ落ちた。]