[FO7402-1938は、どの恒星の惑星系にも属さない、銀河そのものを公転している自由浮遊惑星。
眩い光を齎す主星こそないものの、銀河の中心から届く光によって、この星の地表の植物は生かされている。それら植物の生成する物質や、その他星に備わった物質が基になっている大気によって、在来の植物以外の生命体が生息できる環境もまた形成されている。
この惑星に他の星から流れ着いてきた人間たちは(時には人ならぬ者たちも)、難民やその他の逃亡者、或いは開拓民、或いはただ「そこに住まう」だけの者として、総じて平穏といえる暮らしを築いている。
こうしたことからか、いつからかこの惑星には「ヘイヴン」――安息地、避難所、保護区、といった通称が付けられるようになった。
「保護区」を「開拓」しようとする人間たちがいる……という件については、ここでは置いておくとして。]