ダアト

回想：Call for Service（911）

［かの炎上しがちなお嬢さんが、丘の空き家を
　定住先と定めたと酒場の噂で聞いて暫く。
　夜半にウィザードネットワークを通じて、
　近隣の魔法使いに出動要請がかかった>>0:289
　スマホを肌身離さないデジタルネイティヴよりも
　通知に気づくのに遅れ、現場に着いた時には
　既に魔女達が消火活動に勤しんでいた。］


　　これはこれは……

　　今宵は、一段と鮮やかだ。
　　消してしまうのが惜しい程に。


［人手が足りていた上、出火元の彼女は無傷だと
　それまでの経験から知っていたから、
　力強く揺らぐ炎に呑気に見蕩れていると。
　額に汗した魔女に、白い目で睨まれた。］