――そうですね。
最初は思ったより大人な子なのかなと思いました。
結月ちゃんは見た目に反して結構ドライな部分があって。だから、一見大人っぽいように見えるんですけど、それって若さ故の反発心みたいなものでもあるし、幼く言ってしまえば拗ねているともとれるんですよね。
でも、学生の頃ってどうしても自分の周囲だけが世界のすべてだと感じてしまいがちだと思うんです。私の頃もスマホはありましたけど、多くを知る大人たちより近くの友だちの言葉の方が重みがあったりして。
狭い世界の中で不満に身を折って、夢を抱いて、足掻いて、時に諦めて。選択肢を狭めて、世界が広がって、少しずつ大人になっていく。
だから、私は『幸阪結月』という人間が好きです。わがままで身勝手で臆病で、でも愛も熱もある。どこまでも人間臭いところがすごく愛おしい。
田美院先生の描かれた“おとな移行期”はただ綺麗なだけじゃない。それなのに目が離せなくて、「あぁ、これが青春だったな」って。
私が通ったのは大神高校じゃないのに、撮影中何度も懐かしさを覚えたりしましたね。「私、実はここに通ってたんだっけ?」みたいな(笑)
(パンフレット内出演者インタビューより 抜粋)