《 件の戯曲のことを言い出せずに日々を経れば、
当然、それ相応の事態が訪れることになる。
銀河間警察……じゃなくて、アッサの軍から一座に
件の戯曲の件での令状が出された。
そのことを僕に連絡した時の座長の声色の、
「何故」の響きの重さは、未だに忘れようがない。
……結論から言うと、僕は件の戯曲を鞄ごと提出した。
本の所持はあくまで僕一人の問題で、
一座としては一切関わりがない、と告げた。
それから、戯曲の入手先――差出人について。
同業者のよしみも、少しだけ、やはり過ってしまったけれど。
軍人の前で黙っていたら何をされるか、って恐さもまた沸いて、
僕は正直に口を割ったんだ。 》