覚えておく。君が3-Aだってこと。君のことも。
図書室から見ててくれたことも、ここで話したことも、死ぬまで見ていてくれるって言ってくれたのも。
だから、よかったら、俺のことも頭の片隅に置いといて。
3年C組。飯島明良。美化委員長で、ここを守ってた人。
君にお願いしたやつがいるってこと。
[小柄な彼女が手を挙げる。応えるように片手を挙げた。
そのまま去っていく彼女に向けて、ぶんぶんと手を振る。
彼女の背中を、飯島の声が追いかけた。]
またなんか植えるかもだから、気が向いたときに見てみてよ!
[晴れやかな笑顔と、力の抜けた佇まい。
演技ではなく(演技ではあるのだが)自然体の飯島の姿が落ち始めた夕陽と共に映し出された。]