閑話、うわさばなし
[その時に、私が収監されていたかはさておき、一時期看守の毒殺事件が発生したという噂話があった事を耳に挟んだ。
>>0:355 >>0:247 >>0:248 女性を進んで甚振る趣味の悪い看守が殺されたという。
私自身も何かの因果で目を付けられていれば、被害を被っていたかも知れない、起きて良かった事件。
……そう、それは囚人にとって
都合が良過ぎる事件だった。
犯人も手口も何もかもが不自然な程に隠蔽されていて、事件を知っていそうな人物は、囚人看守問わず口を噤む。
あの
ウィレムすらも事態を明らかにしなかった禁忌。
だからこそ、この事件の裏で糸を引く人物に接触出来れば、何かの助けになりそうだと思った迄は良いものの。
隠匿され切ったからこそ明るみにならない情報に、囚人新人である私では八方塞がりだった。
誰か事情を知っている人物と接触出来れば良いのだけど。**]