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[年はそう離れていない。
真摯な眼差しは空の色に似ていた。]
期待されたから、望むことをして。
でも、……それは、間違っていたのかな。
街の全員が、明日ものすごく変わったとして。
[少しの間、手の甲に目線を落として]
車通勤をやめて歩きましょう。ステーキの代わりに苔を。
……そんな世界は来なかった。
来なかったけど。
まるきり意味がなかったとは、思いたくない。
[一番に成果を知らせたかった相手は。
研究所に踏み込んだ特殊部隊に蜂の巣にされた、と聞いた。]
あんたが「応えた」相手は、喜んでたか?
[ぽとり、ぽとりと言葉を落とす。
作業は進まなかった。]**