[と思ったらまたブタの顔をしている。
キーホルダーのぬいぐるみを川に落としたショックのせいでこんな走馬灯がプラスされている――わけではないことは、心の奥底ではきちんと理解し始めていた。
自分は変な世界に飛ばされてしまったのだ。
終わらせるつもりが、消えるつもりが、意識が続いたままおかしなことになっている。
急に自分がより情けなく弱く感じられた。
覆うための殻の作り方を忘れたかのように。
掴まれて揺れながら。時々ふわふわが触れる。
その感触は嫌ではなく少しだけ鼓動がゆっくりになった。]
……すみませんでした。
[縮こまる男性に小さく謝罪する。
まだ震えは収まらないが、これ以上暴れる様子は見せず、一先ず逃走劇は終了となった。**]